• TOP -
  • CONVERSATION
CONVERSATION

対談

共に歩んだ長き道のり
株式会社 島田製薬 代表取締役社長
菅原剛

創業から今日までの歴史

大渕:平素は大変お世話になっております。
おかげさまで昨年の令和4年に創業50周年を無事に迎えることができて本当に嬉しい限りです。
私達のこれまでの歩みは、多くの皆様方のご理解とご支援の賜であると心から感謝しております。
お客様をはじめ、支えてくださる様々な業者様のおかげで今日と共に、特に御社とは長いお付き合いで、もうかれこれ30年程になりますよね?
本当にありがとうございます。

菅原:こちらこそです。お互いに切磋琢磨しながらの歴史ですから感慨深いものがあります。
そしてお互いに、二代目として未来に責任もありつつ、私たち製造メーカーとしての「良質なものを造る」という姿勢も今後も変わることはありませんし、これからもご提案もさせていただければと思っております。

健康食品業界の市場規模と業界の今後

大渕:サプリメントの市場規模はメーカー出荷金額ベースで、2022年度が約1兆円には驚きました。
新型コロナウイルス感染症拡大の中で、免疫や、新生活様式において対策需要が高まり市場は拡大を続けてますからね。
主にTV通販やインターネットなどの通信販売市場が大きく恩恵を受けてる状態でしょう。
業界の成長要因は大手メーカーの参入があると思いますが、業界にとってはとても意義あることだと思います。
業界全体の底上げにつながりますから。
今後、サプリメント業界は非常に将来性が有望な業種と言われますが、競争も激しいのも現状。
なので、西日本全域を商圏に動く我々にとって大事なことは、いかに市場占有率を高められるかと言うことです。
今以上に地域に愛される企業にならなくてはダメだと言うことです。
その為には、どんなに通信販売事業が発展しても、フォーカスすべき所は「人」であり、そこを簡素化しては商品価値は伝わりません。
そして私たちのお客様の殆んどが高齢者ですから、ITとは無縁なのです。
粗悪なサプリメントが市場に横行してる現状だからこそ、「いかに納得していただき購入していただけるか」の説明責任は非常に大事だと思います。
芸能人を使ってメディアを駆使して効果効能を謳えば、人は信用するものです。
ブランディングを否定するつもりはありませんが、「莫大な広告宣伝費=良質な商品」と言う認識は非常に危険です。
私自身、自社の商品しか信用してませんからね。
今のサプリメント、いや食品業界は無茶苦茶で問題だらけじゃないですか。
通信販売業者の景品表示法に基づく措置命令なんてことは珍しく無いですから。
景品表示違反=誇大表示は嘘の表記ですから、お手軽に購入できる分、消費者は気を付けなきゃいけませんよね。
我々はこれからも肝に銘じて今まで通り、安心安全、良質なものだけをご提案していきます。
この50年と言う企業の歴史とは、言い換えれば「信用」なんですよね。
「信用」とは「良質」に拘ってきた証です。

菅原:おっしゃる通り、新生活様式の変化を直に感じてます。
競争の激しい私たち製造メーカーとしては、お客様の健康と社会の発展に貢献することはもちろんですが、大事なのは取り巻く環境の変化に対応し、関連法規、業界基準及び社内ルールを遵守しつつ品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善していく姿勢が大事なことかなと思ってます。
市場が変化しても普遍的な姿勢は変わりませんよね。これからも、お客様が満足と安心される品質の製品開発を心がけたいですね。

「サプリメント」への関心が高まっている現状でお客様に伝えたいこと。

大渕:サプリメントの効果効能に漠然とした不安を感じる人や、種類が多すぎて何を選んだらよいかわからないという人も少なくないと感じてます。
健康を維持するうえで、最も大切なのは栄養バランスのとれた食事です。それを補うものとしてサプリメントを上手に活用してほしいですよね。毎日の暮らしの中で、自分に合ったサプリメントを選ぶコツや、サプリメントに頼りすぎない上手な活用法も大事なことじゃないですか。
サプリメントは、「補助するもの」「補完するもの」で、分類としては「食品」にあたりますからね。
一般的に健康に良い栄養素が含まれた食品を健康食品と言いますが、体に良い身近な食品の仲間のひとつとして捉えることが大切です。
また、サプリメントは食品というくくりで法に準じてるため、商品の有効性や機能性に関する表示が禁止されてます。
科学的根拠に基づいて健康食品の機能性をわかりやすく表示する取り組みがすすめられていますがまだ十分とは言えませんし、そうした背景も理解していただきたいですね。

菅原:ただ、忙しいときには、外食やできあいのお惣菜などを利用することもありますよね。そういった生活が続いてしまうと、栄養価が低くなってしまい、体に必要な「ミネラル」や「ビタミン」が不足してくる可能性があります。
栄養バランスを考えた食事を毎日手作りすることや、足りない栄養素をしっかり摂る食事が難しい場合には、サプリメントで補うことで体の調子を整えることが期待できますから。
ただし、日常の食事の中で、必要な栄養素を多く含む食品を積極的に摂るに越したことはなく、サプリメントだけに頼ることのないように心がけることも大切ですよね。

サプリメントにはさまざまな種類があって、何が良いのか迷ってしまいます。シニアが選ぶための目安はありますか。

大渕:シニア層は、食が細くなったなど、若いころと同じように栄養を多く食品から摂ることが難しくなる傾向にあるので、栄養をバランスよく摂ることや、体の基本的な機能を整えることを考えた場合に、マルチビタミンなど、複数の栄養素が組み合わされたサプリメントから始めてみるのも良いと思いますよ。
また、年齢による体調の変化を改善したい場合、たとえば、腸内環境の悪化が気になる方は、乳酸菌を摂るなど。
その他にも、症状別にサプリメントを選ぶ、という方法もあります。市販されているサプリメントは、あまりにも種類が多く迷ってしまうかもしれませんが、そんな時こそ我々に相談してほしいですね。

菅原:将来の健康不安を考えた時にまず老化は無視できません。
ニーズとして多いのは、目、認知症、筋肉、血管、心臓、関節、癌などのサプリが非常に多いです。
なので老化予防を意識して考えるなら、主に自身の今の症状や健康状態などを意識して選ばれることがベストだと思います。
ただ、商品が多すぎてどの商品が良いのかを見極める必要はあると思います。

サプリメントを購入する際の注意点はありますか。

大渕:申し上げた通り、サプリメントは食品に分類されるため、販売に許可や資格は必要ありませんし、多くの企業が販売を手掛けて、商品も様々です。なのでサプリメントを購入するときは、信頼できる企業と商品を自分で見分ける目が絶対に必要です。
粗悪なものが横行してると申し上げましたが、「東京都健康安全研究センター」が健康食品の試買調査を行っていますよね。
結果、販売店で購入して42品目中 24 品目に不適正な表示・広告、インターネット等の通信販売で購入した製品では、83品目 中79品目 に不適正な表示・広告が報告されてました。
残念ですが、良質かどうかの判断は見た目じゃまず分かりませんね。
よくある商品口コミなどを当てにしないのいいかもしれないですね。口コミなどはどうにでも作れますから。
なので、サプリメントについて勉強することは必要なことではないでしょうか。

菅原:サプリメントは薬ではないので、ピンポイントで効果を上げるものではないですし、効果を判断するためには、継続し実感を得られたか、得られないかの自己判断が重要です。そのためにはまず日常生活の中で、何が不調なのかをご自身で把握したうえで、その症状に効果が期待できそうなサプリメントを選んでいただきたいです。そして半年程度継続したうえで、自分が気になっていたことが改善されたかを改めてしっかりチェックすることが大事。
たとえば腸内環境を整えるサプリメントであれば、毎朝の便をチェックすればわかります。便の色、硬さなどの良い便が出れば、腸内環境が良くなっているということ。漫然とサプリメントを利用するのではなく、自分の体と会話しながら、自分にあったサプリメントを探していくことが大切じゃないでしょうか。

最後に、サプリメントと上手に付き合うためのアドバイスをお願いします。

大渕:サプリメントに関心を持つ皆さんに最後にお伝えしたいことは、サプリメントは病気を治すための食品ではないということ。99%改善した、病気が治ったなどという商品広告は違法ですから。
こうした宣伝文句を謳う企業や、極端に高額なサプリメントには注意が必要です。もし体調に不安がある場合は、自分だけで判断するのではなく、きちんと有識者に相談し、不調の原因となる病気は無い、治療の必要が無いと確認した上で、日常生活を整えるためにサプリメントを活用することを考えていただきたいです。
その際には自分の生活習慣にも目を向けて、自分の健康に本当に必要なものは何かを考え、食事や運動など改善できることは改善し、それでも難しいときにようやくサプリメントにたどり着いてほしいと我々は考えています。
私自身も、サプリメントを摂ってアレルギー反応を起こした経験があります。
ですので皆様も、消費者として正しい知識を持って、信頼できる商品を探し、サプリメントと上手にお付き合いをしてほしいと願っています。

菅原:定義として、まずもって健康食品は成分量や品質は製造者の自主管理に委ねられ、摂取するかどうかは自分で判断して選択するものと言うことです。
医薬品は医者の処方箋がないと手に入りません。健康食品は有害な事象も有効性も利用した消費者が自分で評価するもの、消費者自身が選択するものなので、正確な情報を得ることが必要となりますから。
なので、確かな情報を得るには食品保健指導士、サプリメントアドバイザーといった有識者に相談するのがベストでは無いでしょうか。
御社にも数名在籍されてると思いますが、サプリメントと長く付き合っていく上で、商品に対しての説明を納得するまで問いかける姿勢もとても大切なことだと思いますね。

大渕:よくある体験談などは、あくまでも個人の経験で、必ずしも効果を保証するものではありませんからね。
また研究対象が実験動物なのか人間なのか、報告の仕方、試験の方法、複数の研究で支持されているかなど、様々なエビデンスを見極める必要がありますから、ご購入を検討される場合は必ず有識者の指導の下、選んでいただきたいですね。
人生を歩むうえで健康より尊いものはありません。
我わに関わる全ての方々が健康であることが、何よりの願いであり想いなんです。
これからも末長く良きお付き合いの程、何卒よろしくお願い申し上げます。